Ça va aller❁

中央アフリカのカメルーンで、情操教育普及活動に取り組む協力隊員の記録

濃かった1週間、学びの多い1週間

この1週間、言葉できちんと思いを伝えることの大切さを再確認しました。

 

 

 

6校のうち、ある一つの学校で、困ったことが起きたのです。

それは、学校側と私の「ボランティア」の認識の違いです。

 

 学校側に挨拶しに行ったとき、「まだここの環境に慣れていないし、カメルーンの授業がどう行われているのかも分からないから、最初はゆっくり授業を観察させてください。」と言いました。

校長先生は了解してくれ、各クラスの先生に体育の時間割を私に伝えるよう指示してくれました(その学校は代々体育が行われてきたそう)。その時はすごくうれしくて、なんて協力的な先生だろうと思いました。時間割を確認しつつ、先生一人一人に、「この時間見学させてください」ということを伝えました。

 

 そして約束の授業見学の日。CEⅡ(3年生くらい)の教室に入って「授業見学させていただきますね」と先生に言うと、なぜか「え?」という顔をされた。「今日は授業を見学させてもらえる予定でしたよね?」……..あれれ?…なんで?え?…通じてない。なんで?もしかして、わざと?

 

 先生達とあーだこーだ話し合っていたら、子どもの顔がだんだん沈んでいくのが分かりました。ふと横を見ると、わざわざ新品の体操服を買って机に出して準備してきている子どももいたし、不安そうな目をして聞いている子どももいました。

子どもを前にしてこれ以上できないと思い、フランス語もろくにできないのにその日はしかたなく即興で授業をしました。子どもたちは大喜び!でも、心の中はこれからどういう風にもっていけばいいんだろうと、もやもや。授業後、校長先生に「最初は授業観察の時間をゆっくりください。まだカメルーンにきて学校が始まって間もないのにできません。私は専科の先生じゃないです。そういう約束でしたよね?」というと、「授業のやり方を示すのはあなたでしょ」と言われてしまって、言葉が出てこず。翌日は指導案を書いて、先生に流れを知ってもらってからもう一度体育をしたら、いい雰囲気でした。そしたら今度はCE1の先生が今日は約束の日だったねといいに来て結局また体育をその後やり、SiL(5歳)でも、かんたんな手遊びを紹介しました。運動場で「マダムちかは今度は私のクラスだよ!」「違う私のクラスだよ」と喧嘩する声も聞こえてきました。完全に私は体育の授業をする人ととらえられているようです。授業観察の話もいつの間にか忘れられていました。(どうしよう。。。。)と頭を抱えながら外で一息ついていると、今度はCM1(4年生くらい)の先生がおれのとこでもやってくれないのかと聞きに来た。

(や、むりっしょ!)

その先生に私の思いと状況をぶつけると、分かってくれました。

あっ通じたと思った瞬間、ちょっと泣きそうになりました。

一番つらいのは、子どもたちに私のクラスでは体育をしてくれないの?と言われること。

なんとかしっかり先生と話してボランティアの役割や今後の活動の流れをもう一度再確認しないと、うんんん。。。。と頭の中でぐちゃぐちゃ考えていました。

 

 

 

 

 その翌日の土曜日、気分がさえないので、景色がきれいに見える丘へ行って、2時間ほどしばらく何も考えず寝っ転がっていました。下を見ればゆっくり川が流れるのが見え、上は一面に大きな空が広がっています。風や川の音がとても心地よかったし、自分の存在や考え事がちっぽけに思えてきました。

 

起き上がった時に、なんだか吹っ切れて「よし!」と思いました。

都合のよい日本人には絶対ならないぞ!ここで負けたら終わりや!と思い、翌日、❝ボランティアの認識❞を共通理解してもらうために、私の活動の方向性と今の気持ちや今抱えている問題を素直にフランス語で書きまとめました。すると、なんだかすっきり。

 

 月曜日の朝、事務所へ行く用事があったので、マダムデレゲに思いを伝えてみました。するとマダムは私の気持ちを真に受け止めてくれ、私がフランス語で表現できないことを私と一緒に事細かに学校側に話してくれ、対応してくれました。職場に味方になってくれる人がいるってなんてすばらしいことなんだろう。改めて、職場の人たちの存在に感謝した一日でした。

 いろいろあった一週間だったけど、週はじめに手を打ったおかげで明日からはすっきりした気分で頑張れそうです。

 

やっぱ、思いは言葉にしないと伝わんないな。

しんどくても頑張ってフランス語を並べて言葉にしなきゃ何も始まらないな。と感じました。

しんどい時は、これからもどんどん言葉にして相手に伝え、時には人に頼ったりしながらゆっくり一歩一歩、歩んでいこうと思います。