大きな折り鶴~平和への願いを込めて~
先生 「カメルーンに平和はありますか。」
子ども 「いいえ、カメルーンに平和はありません。」
先生 「なぜそう思うのですか。」
子ども 「ボコハラムが人々を殺すからです。」
水曜日の午前、事務所の裏の小学校EPPANTで、平和について考える授業をしました。
なぜわざわざこんなことをしたかというと、9月29日に配属先の事務所で、平和、環境、テロリズム、人権などをテーマにした小学生たちの作品展示会が行われるからです。
マダムデレゲからそれをやってくれと一週間前に頼まれ、 おお、そんな急なのもってきたかーーー!さすがやカメルーン... と思いつつも、面白そうなので引き受けました。
ちょうどその翌日22日は、事務所の裏にある小学校EPPANTの授業見学の日だったので、モチベの高いCM1の先生に話してみました。すると幸いOKをゲット!!
2人で29日までの授業計画を立てると、先生が子どもたちにこれから行うことを一通り説明してくれました。やっぱ素敵です、この先生。
作成するものは、大きな折り鶴に平和へのメッセージを書き、周りにカメルーン国旗色(赤黄緑)カラーをつけたものです。
そう!日本の平和のシンボルである鶴とカメルーンのコラボレーション!!(*ノωノ)
そして、EPPANTCM1とのプロジェクトが始まりました!
23日の朝、まずはみんなで平和について考える。
カメルーンと日本の平和についての授業です。
だいぶ端折りますが、私が理解できた範囲の中で印象に残った内容を少し載せます。
先生「平和って何ですか?」
子ども「問題が1つもないことです。」
先生「他は?」
子ども「みんなが安心して過ごせることです。」
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先生「じゃあ、カメルーンに平和はありますか?」
子どもたち「いいえ、先生カメルーンは平和ではありません」
先生「なぜですか?」
子ども「カメルーンは平和ではありません。なぜならボコハラムが人々を殺す
からです。」
子ども「ボコハラムが何度もテロ行為を行うからです。」
子ども「ボコハラムが爆弾を子どもや女性に巻き付けてたくさんの人々を殺すからで
す。」
子ども「なぜならカメルーンは今戦争中だからです。」
わずか9歳10歳の子どもたちがしゃべった内容ひとつひとつに心が痛みました。
現在カメルーン北部では、彼らと同い年の子どもたちや女性がボコハラムと思われる組織に誘拐されたり、自爆テロの目的でリュックやおなかに爆弾を巻き付けられたりして、尊い命がたくさん奪われています。
先生「じゃあ、どうすればいいだろう。」
子ども「ヨーロッパに助けを求めます。」
子ども「日本の政府に助けを求めます。なぜなら日本とカメルーンは友達だからで
す。」
子ども「メッセージを政府に書きます。」
先生は “メッセージを書く” という言葉を黒板に書きました。
今度は私の番です。日本の平和についてのプレゼンテーションで、広島、長崎、福島について、パワーポイントを見せながら話しました。
子どもたちは、ものすごく真剣な顔で目をスクリーンから離さず聞いていました。
特に原発の放射線の威力に、驚きと悲しみの表情を見せていました。
この授業で平和について子どもたち自身で色々考え、何かを感じ取ることができたようでした。
その後、日本では折り鶴が平和のシンボルとして用いられていることも説明。
(ここで駒ケ根訓練所での折り紙広げ隊活動が活かされるとは^^)
日本とカメルーンの話が終わった後、折り鶴に書く平和を願うメッセージを考えました。
みんな真剣に紙に向かって何かを書いています。
何人か発表してもらいました。
「日本とカメルーンに戦争のない平和な日々がつづきますように。」
「ボコハラム、これ以上平和を乱さないで。」
メッセージ作成がひとまず終わった後、机をよけて折り鶴を折るためのスペースを作り、教室の大掃除!なんてったって、床ちょーーーきたない(笑)
そして折り鶴スタート!
ぎこちないけどみんな一生懸命折っていました。
先生も興味津々。
そして完成!
教室は拍手と歓声で湧きました。
みんなで記念撮影!
来週からはメッセージと色付けに入ります。
出来上がりがどんな感じになるんだろう。
どきどきわくわく。
カメルーンに来て、カメルーンで暮らして、はじめて思いました。
情操教育と平和はつながっているなと。